この投手のストレートはノビがありますね。
この投手のストレートはキレがあります。
この投手は重い球を投げますね。
プロ野球を観ていると、このような解説をよく聞きます。
この表現は、経験者であれば感覚として理解できます。
しかし、言葉で説明するとなると非常に難しいです。
「変化球にキレがある」はわかるけど、ストレートなのにキレ??
重い球って、手元でボールが動いて、バットの芯が外れてそう感じるんじゃないの?
そう思った野球ファンはいらっしゃると思います。
15年間の野球経験と有識者たちの意見を参考に辿り着いた結論を述べていきたいと思います。
大前提として、バッターは今まで対戦してきた投手の球の軌道の平均値があります。
打者はその軌道を頭にイメージしてボールを打っています。
(打者はボールを打つ瞬間まで見ることはできません。そのためリリース近辺のあたりから、ボールの軌道を予測してスイングしているのです。)
投手は、いかにバッターの予測や平均値から外れることが打ち取るためのキーポイントと言えます。
キレ、ノビ、重い球と打者の予測や平均値から外れたボールであると言えます。
キレ=回転数、ノビ=回転軸と回転数、重い球=角度
それでは結論から行きましょう
- キレ=回転数(スピン量)
- ノビ=回転数かつ回転軸
- 重い球=縦の角度
具体的に見ていきましょう!
1.キレ=回転数(スピン量)

言葉の通りです。(笑)
「あのスライダーはキレがある」
とよく聞くように、変化球に「キレ」は使われます。
このキレの正体は回転数(スピン量)です。
ストレートも同じように、スピン量が多いと失速しません。
また、ストレートは実は、シュートしながらホップするような(落ちにくい)変化球の一種であるのです。
人間残念ながら、きれいなストレートは投げられません。
ストレートと呼ばれるボールは、回転軸が多少なりともずれているため、シュートしているのです。
ストレートも変化球の一種であることを考えると
「ストレートにキレがある」という表現は正しいのです。
2.ノビ=回転軸と回転数

ノビは先ほど述べた回転数があることがマストです。
(実際にノビのある投手対戦したことがありましたが、彼らのストレートはスピン量はえげつないです)
先ほど述べた通り、ストレートはシュートしながらホップするような(落ちにくい)変化球です。
しかしノビがあるストレートは、回転軸が水平に近くシュート成分が少ないのです。
(藤川球児選手のストレートは、回転軸が5度しかずれてないのです。)
そのため、普通の選手よりホップ成分(上方向の変化量)が大きいのです。
しかし勘違いしてほしくないのですが、ストレートは、ホップしていません。
普通の選手より落ちないため、上にホップしている感覚に陥るのです。
ノビのあるストレートは、回転数が多く、回転軸が水平に近いため、一般の選手よりシュート成分が少なく、ホップしているように感じるのです。
3.重い球=縦の角度

縦の角度は、いわば身長です。
かつオーバースローの投手であることも関係していると考えます。
この2つが重なると、バットに対し、上から押されるような力が加わるため、通常の投手より重く感じます。
(私自身の経験として、上背のあるオーバースローの投手は、後ろ方向にファールを打たされました。)
実体験として、長身のサイドハンドの投手と対戦したことがありますが、彼らに重さというものは感じませんでした。
つまり、縦の角度、上からの圧力といえるでしょう。
巷では、ムービングボールのせいでバットの芯をずらされているから、重く感じる。
という意見もちらほら聞きます。
この意見もあながち間違いではないでしょう。
打者というのは、打つ瞬間までボールを見ることはできません。
リリースから少しボールが離れた地点から、ボールの軌道を予想してバットを振っているのです。
つまり、予想でしかありませんので、手元で動いたかどうかは、確認できません。
まっすぐきたと思ったら、バットの芯をずらされます。
芯を外される。
↓
飛ばない
↓
重い球
という認識になるのでしょう。
そのためムービングボールは結果として、重い球と認識されるのでしょう。
まとめ
- キレ=回転数(スピン量)
- ノビ=回転数かつ回転軸
- 重い球=縦の角度、ムービングボール
前提として、打者は打つ瞬間は見ることはできないということです。
打者は、投手のリリース付近を見てボールの軌道予想しているにすぎないのです。
打者の予想と投手の平均値から回転数、回転軸、角度等が著しく外れることで、ノビ、キレ、重さを感じるのです。
打者の予想を外すこと、平均値から外れることが、打者を抑えるキーポイントになりそうです。
いかがだったでしょうか??
ノビ、キレ、重さについて、意見お待ちしております。
それでは!!!
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